ルビの扱いは悩みますね。
私には正解はわかりません。
文脈というか、周りの環境にもよりますよね。
どちらを先に出してもかまわないこともたくさんあります。
『てびき』にある「本来の読み方でない」というのと「説明」というのも、はっきり分けられるわけでもないと思っています。
「約束」だって、「アポイント」の説明だといえば説明だし…。
個人的には、筆者はここをどう読ませたいのかな、ということを考えたりします。
「キーパー」と読ませたいとき、たとえば、あとでそれとよく似た言葉が出てきて、誰かが間違えた、とか、そんな展開があれば、ここは「キーパー」で、「帽子」はその説明ですよね。
でも、そんなわかりやすいケースは多分ないので、いつも悩むわけです。
『てびき』の用例は、当然のことながらわかりやすい例だけなので、たとえば、「チョモランマ」と「エベレスト」は、近年の傾向から言って、「チョモランマ」をメインに据えたいけれど、今のところ万人が知っているわけでもないかもしれないから、「エベレスト」のことですけど、という説明を加えている感じですね。
次からは多分「チョモランマ」で出てくるんでしょう。
ただ、「キーパー」については、私のとても個人的な印象ですが…。
「キーパー」(「キッパー」・「キッパ」と書いてあるものが多いようですが…)は、ユダヤ教徒がかぶる、あの小さなキャップのことですね。
「帽子」という日本語で日本人がイメージする概念のうちのほんの一部であり、たとえば麦藁帽とか野球帽とかを思い浮かべられると、描かれる絵がすごく違ってしまいます。
ユダヤ教徒にとっては、信仰につながる大切な、特別なアイテムなんだと思います。
そういう意味では「キーパー」という表記は大事かもしれません。
「チョモランマ」と「エベレスト」は、多分同じものを指していますが、「キーパー」と「帽子」は表すものの範囲がかなり違うんですよね。
そう考えると、これはもう「キーパー」」で行こう、初回に(帽子)という説明をしておいて、次からは「帽子」と書いてあっても「キーパー」と読もう、という方針もありかな、と思います。
でも、全体を読んだわけでもないので、筆者がこの言葉にどれくらいの思い入れ(?)を持っているのか、私にはわかりません。
また、ルビのルールについて、まったく別の考え方もあるかもしれません。
いろいろなご意見が聞けるといいですね。