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[No.4925] 助詞[もの] 投稿者:takam  投稿日:2020/05/23(Sat) 21:17:48

助詞の[もの]と名詞の[もの]について判断がつかず、悩んでいます。
判断のつけ方があれば、教えていただきたいと思います。

例えば次の[もの]は、前を区切るのか、続けるのかなのですが。
・失うたびに嫉妬するものね。
・茶話会は黙認するものの、

基礎的なことで申し訳ありません。
過去ログにあるかもと調べたのですが、分かりませんでした。
よろしくお願いいたします。


[No.4926] Re: 助詞[もの] 投稿者:えむ  投稿日:2020/05/24(Sun) 10:50:29

もともとは同源の言葉らしいので、判別するのは難しいですね。
名詞だったのが、だんだん助詞的に使われるようになっていったのでしょう。
ですから、その途上では連続的に、微妙な差で分布していて、はっきりわかる例ももちろんあるのですが、どちらともとれるケースも多々あります。
これは両方にとれる、というときは、仕方ないので、点訳者や校正者が、こっちで行こう、と決めるしかないと思います。
『点訳のてびきQ&A』では、判断が難しい場合は区切って書いてよいでしょう、と言っていますね。

例にあげてくださった、
「失うたびに嫉妬するものね。」は、文脈にもよるのですが、私の個人的な感じでは、「嫉妬するものですよね。」というよりは、「嫉妬するよね。」に近いかな、と思います。
前者なら形式名詞、後者なら終助詞だと思います。

たとえば、「これ、以前もらったもの」は、「もらったものです」なのか、「もらったよ」なのか、字面ではどちらともとれるのでしょうが、文脈上どちらがしっくりくるのか…。
そんなことで考えてみるしかないでしょうか。
いや、もちろん、それで全部わかるわけでもありませんが。

他のお考え、もっといい判別法もあると思います。お聞かせください。

「茶話会は黙認するものの、」ですが、「ものの」「ものを」は名詞+助詞と考える、と『てびき』p54にありますので、切っていいと思います。


[No.4927] Re: 助詞[もの] 投稿者:ten  投稿日:2020/05/26(Tue) 16:35:08

横から失礼します。
『点訳フォーラム』というサイトに、「もの」「こと」の
見分け方のポイントなどが載っています。
https://tenyaku.jp/qa/qa03#sono1_2

「もの」についてですが、点訳フォーラムによると、
理由や根拠を述べて「だって〜もの」「でも〜もの」のように用いられる場合や、
理由を表す「〜から」と言い換えられる場合は終助詞と判断できます。
だって、買いたいんだもの
でも、とても重いんだもの
そんなこと言うなんて思わないもんな
のような場合です、とあります。
確かに、それぞれ「買いたいんだから」「重たいんだから」「思わないから」と
言い換えられますね。

また、終助詞の「もの」の場合、文章から「もの」を取り除いても
文が成り立つ、というのも目安のひとつだそうで、
上記の文だと、
「だって買いたいんだ」
「でも、とても重いんだ」
「そんなこと言うなんて思わない」
というように「もの」がなくても文章が成り立つのですが、
「もの」が形式名詞の場合は、例えば、
「彼の活躍はたいしたものだ」の「もの」を削除すると、
「彼の活躍はたいした」と尻切れトンボになってしまうというような
ことではないかと思います。

ご質問の例では、
「失うたびに嫉妬するものね」→「失うたびに嫉妬する」となり、
文としておかしくはありません。
そういったことから考えると、この「もの」は終助詞かなとは思うのですが、
やはり前後の文も関わってきますので、
例えば、ご質問の文がこのような形で書かれていたらどうでしょう。
「女ってやつはそんなふうに嫉妬するものなのかい?」
「ええ、失うたびに嫉妬するものね」
こうなると形式名詞かもしれません。

つまりは、形式名詞か終助詞か、確実に見分ける方法はない、
ということではないかと思います。
えむさんが書かれたように、点訳者が決めるほかない場合も
多いのではないでしょうか。


[No.4928] Re: 助詞[もの] 投稿者:takam  投稿日:2020/06/03(Wed) 15:03:57

えむ様、ten様、丁寧な回答をありがとうございました。
大変良く分かりました。判断のつけ方も少し分かった気がいたします。
『点訳フォーラム』の存在も知らなかったので、教えてくださりありがとうございます。
皆さんやはり悩んでいるんですね…サークルを越えたコミュニティの大切さを感じます。
またきっとお世話になります。ありがとうございました。