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[No.4624] 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:イノッチ  投稿日:2018/11/10(Sat) 12:39:44

ゲームの世界を描いたライトノベルに出てきた
「っ!」(小さいッ・感嘆符)の書き方について教えてください。

辞書を引くと…促音は語中にあって、カ・サ・タ・パの各行の頭子音と同じ閉鎖音または摩擦音の調音の態勢で1音節をなすもの。…つまる音。」と書いてあります。「あっ」「きゃっ」など語尾につく例も。

最近は、前の語や文を省略して「って、言う?」などの表現もあり、促音符から始まる事もありますね。
いずれにせよ、(前後に文字がある場合は当然ですが)前か後ろに文字があるときは、点字でも促音符を使うことには、あまり抵抗は感じません。

ただ、「っ!」のように、促音符の前後に文字がない場合は、
発音のしようがなく、音表文字である点字での表記に困ります。

このような場合、原文の文意から、「!」のように 促音符を書かずに、
表記してはいけないでしょうか。

参考まで、原文を以下に示します。
(ここから)ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(前略)マガジンを嵌め込み、弾を銃に装填するために
コッキングレバーを引き始めた時 ――、
「っ!」
 赤いバレット・ラインが、サーチライトのように
岩陰から迫ってきて、ターニャは、もうそちらに向けて
銃を向ける零コンマ何秒の余裕すらないと悟りました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ここまで)

ターニャが 赤いバレット・ラインに気づいた瞬間を
「っ!」と 表現したのだと思います。

ほかに、感嘆符もなく、1文字(小さい)「っ」と出てきた場合は、
どう書いたらよいでしょうか?

原文に小さい「っ」が出てきたら、いずれの場合も2の点で書くという書き方でよいのか、疑問に感じるのは考えすぎですか?


[No.4625] Re: 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:みなかみ  投稿日:2018/11/10(Sat) 14:46:21

 「■っ■」で私のミニデータベースを検索してみました。無意味な件(たとえば「ネット事典」で「っ」の打ち方を説明)やあきらかな間違いを除けば
  赤い糸  :「−−■っ■・・・■ひっく
  隠密若さま:「いたっ■・・・■っ■・・・
       :ぐーっ、■くー■−−■っ■−−■くぐーっ!
の2タイトル3件のみです。


[No.4626] Re: 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:イノッチ  投稿日:2018/11/11(Sun) 00:45:30

>   赤い糸  :「−−■っ■・・・■ひっく
>   隠密若さま:「いたっ■・・・■っ■・・・
>        :ぐーっ、■くー■−−■っ■−−■くぐーっ!
> の2タイトル3件のみです。

この3件では、(原文が不明ですが)小さな「っ」は、すべて促音符(2の点)で書いたということのようですね。

ということは、点訳では辞書で定義されているような「促音」の意味は横に置いておいて、原文の表記で小さい「っ」が使われていれば、2の点で書いて良いということでしょうか?

くー■−−■っ■−− では 小さい「っ」が棒線で囲まれていますが、この棒線の使われ方は補足説明ではないので、間があるという意味で使われているのでしょうね。

触読される方は、これらの単独の小さい「っ」の部分を読んだとき、どのように感じられるのでしょう。それが知りたいです。


[No.4627] Re: 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:yk  投稿日:2018/11/13(Tue) 12:06:35

触読の経験はありませんが、
前後のない小さい「ッ」は2の点か5の点か判別し難いと思います。

小さいッが続く「ッッ」「ッッッ」は、最後のッ以外は大きいツにして「ツッ」「ツツッ」と点訳するという説明を受けた記憶があります。点線と区別するために。
単独の小さい「ッ」も大きい「ツ」と点訳するのだったと思います。
「ッ!」は「ツ!」と点訳すると思います。
その資料が見つからないので、不確かな記憶ですが。

ただ、みなかみさんのデータベースで「◾ッ◾」が3件のみということからも、大きいツで点訳しているケースが多いのかと思います。


[No.4628] Re: 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:えむ  投稿日:2018/11/13(Tue) 15:12:58

不勉強で、どういう指針が出ているのかわかっていないので、すごく個人的な感想(?)ですみません。

単独の促音符は、確かにとても読みにくいだろうと思います。
まして棒線や点線に囲まれていたら…。

ただ、大きい「つ」にしてしまうことにもちょっと違和感を感じます。
そもそも促音は「つ」の音とはほとんど関係がありません。
墨字のお約束で、促音は小さい「っ」で表すことにしよう、と決めただけだと思います。
眼で見ると大きい「つ」と小さい「っ」はたいして違わないような印象を受けるのですが、音として考えるとかなり別のものです。
「ウ列」「オ列」の長音を「う」で書き表す墨字のルールと同じようなものでしょう。
『てびき』などでも、敢えて「促音符」という言い方をしています。
2の点は、小さい「っ」ではなく促音符であり、墨字の「っ」と同じ場面で使う、ということでしょうか。
ですから、促音符の代わりに大きい「つ」を使うことは、いささか抵抗があります。

とはいえ、読み取れない可能性が大きいのでは、元も子もないですよね。
代替策が必要なのでしょう。
私の勝手な思いですが、イノッチさんがおっしゃるように、たとえば、「っ!」を「!」だけで表してもいいように思います。
みなかみさんが探してくださった例でも、「ぐーっ、■くー■−−■っ■−−■くぐーっ!」を「ぐーっ、■くー■−−■!■−−■くぐーっ!」、あるいは「ぐーっ、■くー■−−■う■−−■くぐーっ!」なんかでもいいような…。
「つ!」よりは実際に近い気がします。
ケースバイケースで対応してはいけないでしょうか?


[No.4629] Re: 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:yk  投稿日:2018/11/13(Tue) 21:53:36

「ッ!」は促音でしょうか? 促音の定義に当てはまっていないようです。
促音でなく小さく発したツなら、「ァ!」を「ア!」と点訳するように、「ツ!」になるかと思います。

点字の制約のため省略せざるを得ないことが少なからずありますが、個人的には「!」より「ツ!」の方がニュアンスが伝わると思います。作者がツという仮名を選択した痕跡を残すことができるし、点字としても読みやすいです。

もちろん、ケースバイケースということもあると思います。
理屈では促音じゃないけど、例えば、作者が促音を意図していて、原本を読んでそれがわかった場合とか。


[No.4630] Re: 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:えむ  投稿日:2018/11/14(Wed) 12:57:05


あぁ、なるほど…、促音でない可能性に思い至りませんでした。
小さく発音したことを表現するために、墨字では「ぁ。」などと小さい活字を使うことはあるかもしれませんね。
小さく、こっそり「つ」と言った、ということであるなら、確かに点訳では「つ」と表すのが妥当、そうせざるを得ないのだろうと思います。

ただ私の個人的な感じでは、やはりこれは促音ではないかと思うんです。
「促音の定義」というのは、「カ・サ・タ・パの各行の頭子音と同じ閉鎖音または摩擦音の調音の態勢で1音節をなすもの」「語中において、無声閉鎖音 k ・ t ・ p や無声摩擦音 s の前で一拍分だけ息をとめるもの」というようなものでしょう。
本来の、というか、伝統的な日本語の音韻としては、そういう状況で発生するんですね。
そして、「外来語や方言音では、例外的に、ガ・ザ・ダ・バの各行やハ行音などの前に現れることもある」とも。
さらに『大辞泉』では、「感動詞や擬声語などでは、『あっ』『きゃっ』のように、語末に現れることもある」という記述もあります。
こうなると、本来の使い方ではないのかもしれませんが、「詰まる音」「呑み込む音」という意味で、こういう使い方が派生してきたのだろうと思います。
それがもっと進んで、「っ!」のような表現が現れてきたように思うのですが…。
音としてはサイレントだけれど1拍分あることを表す符号として使われている感じです。

もちろん、原本の表記を変えてしまうことには充分慎重でなければなりません。
でも、私がこの短い引用から感じた「っ!」の印象は、「つ!」よりは「!」に近いように思ったのです。

感じ方はそれぞれだと思います。
いろいろなご意見をお聞かせください。


[No.4633] Re: 単独で使われている小さい「っ」の書き方 投稿者:イノッチ  投稿日:2018/11/19(Mon) 17:27:42

 エムさんが意見募集してくださったので、しばらく待機していました。
(特に、触読される方のご意見を知りたいと思っていたのですが…。)
 他の例を探してくださったみなかみさん、ありがとうございました。
 今のところykさん・えむさんの投稿が、単独の小さな「っ」についての主な意見、と考える人が多いのでしょう。

【ご意見をいただいての個人的な考え方】
☆ 作者・筆者の意図を推し量り(=文脈・文意から)ケースバイケースで対応
   (点訳者の読解力が試される!?)
  (1)促音でなく、小さく発した「つ」と考えられる場合
       → タ行の「ツ」で書き表す。
  (2)促音:音声としてはサイレントだけれど、1拍分あることを表す場合 
       → 代替策を考え、表記を工夫する。ex. 感嘆符「!」
     ただし、原本の表記を変えてしまうことには、十分慎重でなければならない。

【今回の例「っ!」への対応】
 互いに銃で相手を倒そうとしていて、居る場所や動きを察知されないよう息を潜めている緊迫した場面。声を出すとは考えにくく、息をのんだという判断から、「!」(感嘆符のみ)で表記しておきたいと思います。

ちなみに直接ご意見を伺った方の中に「う」「うっ」「ん」などを提案してくださった方もいました。 

これまで、どうにも困ったときに「だれかおしえて ― みずほ点訳」を覘いては、ヒントを貰っていたのですが、今回初めて投稿させていただきました。
頼りにしています。今後ともよろしくお願いします。
なお、完成がかなり遅れているものでしたので、とりあえず、対応を決めましたが、この件についてほかのご意見がある方は、投稿をお待ちしています。