一括表示

[No.4524] 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:まんぞう   投稿日:2018/06/14(Thu) 09:33:09

いつもお世話になりありがとうございます。
「そうろう」の分かち書きについては、Q&AのQ160で「動詞の
連用形に続いている場合は一続き」とあります。ところが、点訳ナビ
を見ると、「これ□あり□そうろう」は区切ってあり、「おどろかれ
そうろう」は一続きで示されています。「あり」は動詞の連用形です
から一続きだと思うのですが。また、「おどろかれ」は動詞の未然形
に接続助動詞「れ」がついているので区切って書くことになると思い
ます。どこを間違っているのか分かりません。文法はまったく知識が
ありません。ご指導、よろしくお願いします。


[No.4525] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:みなかみ  投稿日:2018/06/14(Thu) 16:24:42

 私は日本語文法はわかりません。表記辞典にある単独(「そーろーぶん」などを除く)の「そーろー」は下記のとおりです。
  とーけの■ことに■そーろー■あいだ
  それに■そーい■ござなく■そーろー
  これ■あり■そーろー
  じつげん■いたしたく■そーろー
  うけたまわって■そーろー
  もーさず■そーろー


[No.4526] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:まんぞう   投稿日:2018/06/15(Fri) 08:36:12

みなかみさん
ありがとうございます。
私の質問の仕方が悪かったようで申し訳ありません。
表記辞典、点訳ナビで「候」を調べた結果、「これありそーろー」と
「おどろかれそーろー」の二つだけが、Q&A・Q160に書かれて
いる動詞の連用形に続く場合は一続きというルールから外れているの
ではないか思います。
私の考え方の間違い指摘していただきたく、再度宜しくお願いします。


[No.4527] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:いちご  投稿日:2018/06/15(Fri) 10:14:01

こんにちは。
いつもこの「だれかおしえて」で勉強させていただいています。
文法のことは、私も苦手で苦戦しています。
まんぞうさんの疑問を私なりに考えてみました。

「おどろかれ」は
カ行五段活用の動詞「駭く」「驚く」の未然形である「駭か」「驚か」に、
受身・尊敬・自発・可能の助動詞「れる」の連用形が付いた形。
と日本語活用形辞書にあります。
つまり、助動詞の連用形で終わっているので続くのかな。

「あり」は
同じ日本語活用形辞書に、
動詞「在る」「有る」の連用形である「在り」「有り」、
あるいは連用形が名詞化したもの。
とあるので、名詞化したものとの解釈で切るのかと。

どこか間違っていたらお教えいただければうれしいです。


[No.4528] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:えむ  投稿日:2018/06/16(Sat) 01:09:04

私も全然わかりませんが、ちょっと思いついた勝手なことを書いてみます。

とりあえず、『Q&A』に書かれている「独立の動詞であれば前を区切って書く」ということだけを考えてみようと思います。
「独立の動詞」というのは、「女御更衣あまた候ひ給ひける中に」とか「いかなる所にか、この木は候ひけむ」のようなケースですね。
「独立の動詞」かどうかだけで見れば、「おどろかれ候」の「候」はそれには当てはまらないと思います。
ですから、続けて書くことは当然のような気もします。

ただ、「独立の動詞」の場合の例として挙げられている「実現■いたしたく■候」「申すべく■候」を見てしまうと、すっかりわからなくなってしまうのですが…。

『Q&A』が、続けるケースとしている「動詞の連用形に続いている場合」には、形容詞の連用形や助動詞の連用形は含まれないのでしょうか?
「独立の動詞」の反対概念としては、これらが含まれていいように思うのですが。
いちごさんがおっしゃるように、「おどろかれ候」は、助動詞の連用形に続いているわけで…。

「これあり候」についても、よくわかりません。
この場合の「候」は、なんだかほとんど意味を持っていないように思います。
「これあり」だけで充分じゃないか、と思ってしまうのは、私が文語を理解していないからかもしれませんが、もし万一、単に語調を整えるためだけに付けられている「候」だとしたら、前の「あり」は連用形ではなく終止形で、そこで話は終わっているんだけれど、格好を付けるためにちょっと「候」を加えてみました、という程度のことなんじゃないか…とか。
つまり、動詞などの連用形に続くというのは、その動詞との結びつきがある、意味的にも前の動詞を受けている、ということですが、「これあり候」の場合、そういう結びつきはないんです…というのは無茶な話でしょうかねぇ?

すみません、何の根拠もない、世迷言の類です。


[No.4529] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:yk  投稿日:2018/06/16(Sat) 03:58:26

まんぞうさんと、みなかみさんのご指摘で、改めて「候」の分かち書きにモヤモヤを感じています。

A
○驚かれ候
オドロカレソーロー
動詞「驚く」の未然形「驚か」+助動詞「る」の連用形「れ」+候

B
○実現致したく候
ジツゲン■イタシタク■ソーロー
動詞「致す」の連用形「致す」+助動詞「たし」の連用形「たく」+候
○申すべく候
モースベク■ソーロー
動詞「申す」の終止形「申す」+助動詞「べし」の連用形「べく」+候
○申さず候
モーサズ■ソーロー
動詞「申す」の未然形「申さ」+助動詞「ず」の連用形「ず」+候

AもBも
動詞+助動詞の連用形+候
の形ですが、分かち書きに違いがあります。このことについて、どこかに理論的な説明があるのでしょうか。Q&Aには表記例があるだけです。
AとBを比べると助動詞の活用の型が違います。
Aの助動詞「る」は下二段活用、
Bの助動詞「たし」「べし」は形容詞型の活用、「ず」は特殊な活用。
「候」の前が動詞っぽいかどうかで、切れ続きか決まるのでしょうか?

C
有之候
コレ■アリ■ソーロー
アリ が終止形だという説明を見たことがあります(文語では終止形も連用形も アリ です)が、「候」にそうした用法があるのか、よくわかりません。
古語辞典で「あり」を調べると、「あり」などラ変動詞は存在の意味を表し、他の活用の動詞が動作や作用を表すのと大きく異なる。また、終止形の語尾がイ段になる点も他の活用の動詞と異なる。意味・語形ともにラ変動詞と形容詞は類似している、などとあります。
形容詞に似ているから切る、ではコジツケが過ぎるでしょうか。
単純に、発音上の切れ目を考慮とか、続けると意味が取りづらいから、なのかもしれません。

以上、全て憶測です。

ちなみに、日本国語大辞典には「これあり」(有之)と「これなし」が慣用句として載っています。(之は意味がなく有と無を強調)
それぞれに候が付くと、
コレ■アリ■ソーロー
コレ■ナク■ソーロー
アリ は連用形とするのが自然かなと思います。


[No.4533] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:えむ  投稿日:2018/06/16(Sat) 23:51:09

なるほど、助動詞の活用の型が違うのですね。
そこまで考えが至りませんでした。
前の助動詞の活用が「動詞っぽい」というのは、確かに鍵になっているのかもしれませんね。

そして、「これあり候」の反対は、おっしゃるように「これなく候」ですよね。
とすれば、やはり「あり」も連用形と考えるのが妥当なのでしょう。
「あり」「おり」「はべり」などの存在動詞は、動詞の中でも特殊のようですから、「候」などの補助動詞との関係も特別であっておかしくないですね。

ykさん、貴重な着眼点を、ありがとうございます。


[No.4535] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:まんぞう   投稿日:2018/06/18(Mon) 10:00:55

皆様、ありがとうございます。
難しくてよくわからりませんが、「候」を補助動詞と見れば、
古文については、てびきp152【備考2】、現代文についてはてびきp36 4.で
「前を区切って書く」とあります。これを適用してはいけませんか。


[No.4536] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:yk  投稿日:2018/06/18(Mon) 21:33:00

てびきp152【備考2】は、p143にある通り、「古文および漢文の書き下し文を、歴史的仮名遣いを用いて点字で表記する場合」の書き方です。この場合、候は ソーロー ではなく サウラフ と表記します。前後の文を含めて、すべて歴史的仮名遣いで書くことになります。

また【備考2】は「区切って書くことができる」となっています。てびきの「〜できる」という表現は、「原則」や「お薦め」でなく、こういう書き方もあるという意味なので(てびきp(4)参照)、古文の サウラフ も続けるのが原則だと思います。(但し、点訳ナビゲーターは切っています。)

てびきp36 4.は「本来の意味が薄れて付属語的に用いられている動詞(補助動詞など)も、自立語なので前を区切って書く」。用例を見ると、動詞の前が名詞や形容詞や助詞なので、動詞が自立語だと判断できます。
「候う」が該当するのか確信はないですが、該当するとしたら下記に示した2. と3. の場合でしょうか。1. の場合の候うは、自立語ではないので該当しません。

◎点訳ナビゲーター、表記辞典の用例を辞書に沿ってまとめてみます。推測を含みます。(十分な検証が出来ていないのでおかしな点が多々あるかもしれません。)
○ 補助動詞 候う は辞書によれば、
1. 動詞・助動詞(る、らる、す、さすなど)の連用形につく
2. 形容詞・形容動詞・助動詞(べし、なりなど)の連用形につく
3. 接続助詞 て につく
4. 「御・・・あり」の丁寧表現「御・・・そうろう」

これらのうち続くのは、1. で、動詞と動詞型活用の助動詞の場合だと推測できます。動詞・助動詞の活用語尾がイ段またはエ段です。(オドロカレのレ、ゾンジのジ)
オドロカレソーロー
ゾンジソーロー
タテマツリソーロー
モーシソーロー
(例外: コレ■アリ■ソーロー
この慣用句が例外なのか、ラ変動詞 あり が例外なのか、ラ変動詞すべてが例外なのか、不明。)

2. の場合は切れると推測できます。
・形容詞と形容詞型活用の助動詞の場合、活用語尾は ク です。
ゴザナク■ソーロー
イタシタク■ソーロー
モースベク■ソーロー

・特殊な活用の助動詞 ず の場合、活用語尾は ズ。
モーサズ■ソーロー

・形容動詞と形容動詞型活用の助動詞の場合、活用語尾は ニ。
サカンニ■ソーロー

3.の接続助詞 て の場合も切れる。
ウケタマワッテ■ソーロー

4.の場合も切れる。
オタズネ■ソーロー

○ 動詞 候う の場合
オンマエニ■ソーロー
アマタ■ソーロー

○ 動詞 御座候は、1語なので
ゴザソーロー


[No.4537] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:yk  投稿日:2018/06/18(Mon) 23:48:07

(続き)
大雑把に言ってしまえば、

*ソーローの前の語の語尾がイ段かエ段なら、動詞に助動詞 る、らる、す、さすなどがついたものを含めて、動詞に類する語の可能性が高く、その場合は続く。
これは、複合動詞を続ける規則に符合する。

*但し、ラ変動詞 あり などは例外。

*次の場合は、ソーローの前を区切る。ソーローの前が、形容詞に類する語(活用語尾ク)、形容動詞に類する語(活用語尾ニ)、助詞(に、て など)、助動詞 ず、名詞の場合。これらの場合のソーローは自立語とみなせるから。

先にも書きましたが、検証不足でおかしな点が多々あると思います。ご指摘お願いします。

(補足)
複合動詞 ウタレツヅケル は、
動詞+助動詞+動詞
ですが、打つ の受け身形が 打たれる(辞書の見出し語です)なので、
動詞+動詞
とも言えます。
16日の投稿で、オドロカレソーローを、動詞+助動詞+ソーロー
としましたが、同様に
動詞オドロカレルの連用形+ソーロー
と捉えることができるかもしれません。

打たれる のような受け身の動詞が辞書の見出し語になっていることを考えると、
助動詞 る、らる、す、さす(口語は、れる、られる、せる、させる)などは、前の動詞と結びついて一つの動詞と見做されやすい傾向があるのだと思います。それが分かち書きに影響するのかなと思います。


[No.4538] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:まんぞう   投稿日:2018/06/20(Wed) 07:26:55

ykさん、皆さん有難うございました。
ご教示いただいた内容を理解できないところもありますが、少しずつ勉強していきます。将来、それを応用できるようになればいいな、と思っております。
とりあえずは、問題とした二つはそれぞれ、機械的にそのように書くことにします。


[No.4539] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:えむ  投稿日:2018/06/20(Wed) 10:46:54

ykさん、丁寧な分析・解説、ありがとうございます!
おかげさまで、少しだけわけがわかってきたような気がします。
助動詞、と、一括りにできないことに、眼を開かれた思いです。

受身形の動詞の一部が辞書の見出し語になっていることも、迂闊にもこれまであまり意識していませんでした。
確かに、「打たれる」「うまれる」「追われる」「駆られる」「釣られる」「振られる」「見られる」「やられる」など、見出し語になっていますね。
その形でよく使うし、単なる受身形とは少し違う意味を持つ、というような言葉が取り上げられているのでしょう。
ですから、本来、動詞+助動詞である受身形の言葉も、1語の動詞扱いされやすい、というご指摘も、なるほどと思います。
ただ、「おどろかれる」は(少なくとも手許の辞書には)載っていないので、辞書の見出し語だから、という判断ができるわけではありませんね。
やはり、助動詞であっても「動詞型活用」をするもの、というふうに考えることになりそうです。

「あり」については、「あり」だけが例外というわけではないような気がします。
「おり」も「はべり」も同じ扱いではないでしょうか。
すみません、実際の用例に当たったわけではなく、根拠なく言っています。
もしかしたら、みなかみさんが「居り候」「侍り候」の例をご存じかもしれませんね。

それにしても、ここまで複雑な(細かい)文法に則って点字表記が決められているとしたら、それがどこかに明文化されているとありがたいですね。
今回、まんぞうさんが問題提起してくださったからこそ、ykさんの解説をお聞きすることができたわけですが、そうでないと、多くの人が「候」の前で右往左往することになるのではないかと思います。
いや、どこかにちゃんと書かれていて私が知らないだけかもしれないんですが…。


[No.4540] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:みなかみ  投稿日:2018/06/20(Wed) 20:04:28

> もしかしたら、みなかみさんが「居り候」「侍り候」の例をご存じかもしれませんね。
  おり■そーろー:2タイトル3か所
  おりそーろー :1タイトル4か所
で「はべり■そーろー」や「はべりそーろー」はありません。というわけで、あまりお役にたてませんでした。
 


[No.4541] Re: 「候(そうろう)の分かち書き 投稿者:えむ  投稿日:2018/06/20(Wed) 20:54:01

みなかみさん、勝手なことを言って申し訳ありませんでした。
早速調べていただいて、ありがとうございます。

そうですか、絶対数が少ないのですね。
まあ、考えてみれば、めったやたらと出てくる言葉でもありませんから当然のことです。
もしかするとみなさん迷っていらっしゃるのかもしれませんね。
少なくとも、どちらの考えのかた(グループ)もあるということがわかりました。
それも、大事な情報です。

お手数をおかけしました。