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[No.4326] 辞典の見方ついて 投稿者:りん  投稿日:2017/09/24(Sun) 04:51:57

いつもお世話になります。
恥ずかしい話なのですが、私は辞典の見方が理解できていないようで、点字をしていていつもまようことがあります。
それは、点訳では、「辞典に見出しとしてあるのは、続ける」と、『うん?見出し?』。辞典の見出しの範囲が分からないのです。
例えば;原本に「比べものにならない」とあったとき辞典をみると、
見出し;くらべ= 漢字有り 意味有り。
その後に:−−もの=漢字有り 意味有り。
またその後に:比べ物にならない=意味有り。の場合、どこまでが見出しなのか分からなくなるのです。
この場合、原本が「比べものにならない」だから、
点字は:クラベ■モノニ■ナラナイ。なのか。
または:クラベモノニ■ナラナイ。なのでしょうか。
今更、誰にも聞けない(私のプライドが邪魔して)と思っているのですが、勇気を出して尋ねています。
皆さん、よろしくお願いいたします。


[No.4327] Re: 辞典の見方ついて 投稿者:えむ  投稿日:2017/09/25(Mon) 00:58:31

まず、「辞典に見出しとしてあるのは、続ける」ということはありません。

見出し語として載っている言葉は、辞書によっても多少違います。
まあそれでも、辞書に見出し語として採用されている、ということは、言葉として存在する、使用されることがある、ということだと思います。
でも、そのことと、点字で書くときに続けるかどうかは、別のことです。

たとえば、手許にある辞書をパラパラめくってみますと、「エープリルフール」「小倉百人一首」「青雲の志」「年がら年中」「春一番」などという見出し語がありますが、これらは続けません。

辞書の見出し語は、結構いろいろな言葉、複合語や連語なども含んでいます。
点字では、複合名詞は意味の自立性と拍数とによって切りますし、連語なども意味がわからなくならない範囲で切ることになります。
そんなわけで、「見出し語は続ける」というのは間違いです。

「辞書の見出し語」という話が出てくるのは、その「意味がわからなくならない」というあたりを判断するときの目安になる、という場合です。
たとえば、「起死回生」を切っていいかどうか迷ったとき、「起死」も「回生」も見出し語になっているので、少なくとも意味的には切ってもよさそうだ、という判断ができます。
一方「傍若無人」で悩んだとき、「傍若」も「無人」も見出し語にないとなると、これは切れないかもしれない、ということになります。
そんなとき、見出し語になっているかどうかは、判断の目安になります。

ただ、見出し語にあるものは、少なくとも意味的にはみんな切っていい、とは言えません。
たとえば、「天文学的」という言葉、「天文」も「学的」も見出し語にはなっています。
でも、見出し語になっている「学的」というのは「学問上の」「学術的な」というような意味で、「天文」と「学的」に分けると、「天文学的な数字」などというときの「天文学+的」の意味とは違ってしまいます。
「海水浴場」なども同じですね。
ですから、見出し語にある、というだけで切れ続きが決められるものでもありません。

そして、ここからがご質問の趣旨だと思うのですが、「くらべ」という見出し語があり、その意味の説明のあとに「――うま」とか「――もの」とか「くらべ」を含む言葉が書いてあるんですね?
それはつまり複合語ですから、これも点字のルールに照らして、切れ続きを判断します。
なにしろ、親見出しであっても、それだけで切れ続きがわかるわけではないので、それの複合語となったら、そのまま切れ続きに直結することはありません。
この場合は、「もの」が2拍の和語なので切れませんね。

そのあとの「比べものにならない」は慣用句というか用例というか、さらに要素が増えているわけですから、これも適宜判断するしかありません。
この段階になると、ひと続きで書けるケースはあまりないだろうと思います。

辞書によって、どういう情報をどんな形で載せているかは違います。
お手持ちの辞書の始めの部分、「凡例」とか「この辞書の使い方」などというページがあると思いますので、そこをお読みいただくのがいいと思います。


[No.4328] Re: 辞典の見方ついて 投稿者:りん  投稿日:2017/09/25(Mon) 12:50:46

えむさん、ありがとうございます。
何十年もの間、点訳のことを説明してもらったとき、私自身が勘違いしていたのだとようやく気付きました。これですっきりした気分です。
受け取り方の勘違いっで悩んでいたなんって、今きちんと説明していただき、早くどなたかに聞いていたらよかったのに。と思いますが、なかなか勇気がなくて・・・。
これからもよろしくお願いします。